マネジメントシステム

当社では、創業者が掲げた「お客様第一を基本に製品やサービスを通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、社会の将来動向も踏まえかつ当社のサービス事業追加といった事業カバレッジの拡大に対応して、公的基準?規格より厳しい条件をパナソニック独自で設定しながら、「品質向上」と「製品安全の確保」に関わる各種の制度や仕組みを常に改善して、当社が販売している製品ごとに最適なモノづくりを行っています。
品質向上については、品質担当役員をパナソニック全体の品質責任者として、品質に関わる基本方針である「品質基本規程」を独自に定め、パナソニックの品質マネジメントシステムを事業部?製品ごとに構築?運用して、お客様第一の視点に立った継続的な品質改善に取り組み、各工程が適切なものとなるように随時見直しています。また、2016年10月には、医療機器の製造販売に関わる業務をより適切かつ円滑に推進するため、医療機器製造販売業業務基準をパナソニック独自で制定いたしました。
製品安全の確保については、FF式石油暖房機事故を痛恨の教訓とし、製品安全を経営の最優先事項として取り組んでいます。具体的にはパナソニック独自の製品安全規格をそれぞれの製品において企画?設計からサービス?廃棄までの全工程に適用して、製品安全を常に確保しています。さらに、製品安全レベルをより向上させるために、全社横断で、総合製品安全委員会を年2回開催して、事業や製品の変化に応じた製品安全の確保をより高い次元で追求できるように努めています。また、パナソニック全製品の製品安全に関する情報をできるだけタイムリーに皆様に報告するようにイントラネット?パナソニックのホームページを通じて各カンパニー?事業部の品質担当者?設計担当者を含め全員にお知らせしています。
また、品質向上と密接に関係のある顧客満足の視点からビジネスモデルを考える品質経営ワークセッションを2019年度から開始し、絶えず変化するお客様の期待に寄り添う事業のあり方についての検討を行っています。

方針

全社品質方針を「常にお客様および社会の要望に合致し、満足していただける製品およびサービスの提供を通じ、真にお客様に奉仕する」と当社独自に定めています。加えて、製品安全については、自主行動計画に係る基本方針(2007年6月27日開催の松下電器産業株式会社(当時)取締役会において決議)を定め、「お客様第一」と「スーパー正直」に徹して、製品安全の確保に積極的に取り組んでいます。

さらにパナソニック行動基準の「商品の安全」セクションでも、安全の確保に努めることを当社独自に定めています。

規程

品質マネジメントシステム

当社では、カンパニー/事業場自己完結型の品質保証プロセスを確立するために、ISO9001の要求事項にパナソニック独自の品質保証の手法やノウハウを加えた、パナソニックが求める品質レベルの実現をめざした品質マネジメントシステムを「品質マネジメントシステム(P-QMS)構築ガイドライン」として2004年に制定し、ISO9001-2015の改定に合わせて本ガイドラインも改定しています。
さらに、カンパニー/事業場は本ガイドラインを基にした品質マネジメントシステムをそれぞれの事業特性に合わせて独自に構築して、その推進状況を確認するため品質アセスメントや内部監査をコーポレート、カンバニーや事業場の様々な階層で実施し、継続的な品質改善に取り組んでいます。
また、事業の多様化に対応するため本ガイドラインを全社共通事項に集約した全社共通部分と、事業分野特有の事項である、家電?車載?住宅?デバイス?BtoBソリューション?薬事?サービスなどにわけて策定したセクター規格を加えた部分からなる品質マネジメントシステムとするなど、パナソニックの各事業分野に合致した進化を図っています。

教育

パナソニックにおける品質経営革新を推進するキーパーソンとなる品質職能幹部人材を育成することを目的に、カンパニー/事業場の品質責任者に対する研修を上期1回下期1回の計年2回開催しています。
また、現場の課題解決手法を学びあうQC活動(Quality Control活動)を横展開することでモノづくり現場の品質力強化を図るQCサークル世界大会を毎年11月に開催しており、2019年度の第27回大会には、パナソニックグループの総数4,787のQCサークルから予選を勝ち抜いた28サークルが出場し、グランプリを決定しました。

QCサークル世界大会の様子

製品安全を最優先とするモノづくりを現場に定着させるために、モノづくり現場に製品安全エキスパートを育成する製品安全技術者育成講座を実施しています。また、製品安全最優先の企業風土を全従業員に広げるために、eラーニング「製品安全の基礎」などの自主学習や、社内外の事例を通じて製品安全について考える「製品安全フォーラム」の開催など、製品安全教育にも取り組んでいます。
さらに現場?現物に即した教訓の伝承と製品安全技術の学習を目的に、大阪府枚方市の人材開発カンパニー内に「製品安全学習室」を設置し、FF式石油暖房機事故をはじめとする過去のリコール社告製品の現物、原因?対策や、重要な不安全事象(トラッキング、強度劣化など)の防止策を学ぶことができるようにしています。

製品安全学習室

2019年度の「製品安全学習室」利用者数は、11拠点への出前展示などアクティブな啓発活度の結果、前年6,286名を大きく上回る、9,589名が利用しました。新入社員から幹部社員まで、お客様の立場にたって事故を学ぶことで二度と事故を起こさない決意を新たにしています。
加えて、社内のモノづくり関連社員にP-QMSを浸透?定着させるために、P-QMSのe-ラーニングを英訳?中訳し、グローバル展開を図りました。

責任者?体制

当社の品質担当役員は、専務執行役員の宮部 義幸です。(2020年8月末現在)
そして、本社直轄部門のガバナンス/支援のもとに、各カンパニー/事業場が自主責任?自己完結型で事業推進していく体制を築いています。

品質管理体制

社長を主に本社直轄部門品質担当役員(CQO)管轄の「品質?環境本部」、「安全?品質部」や地域統括会社の「地域品質責任者」からカンパニーの「品質統括部門」や配下の事業部の品質保証部門にガバナンス/支援を行う

また2014年9月より、北米、中南米、欧州?CIS、東南アジア?大洋州、インド?南アジア?中東亜、中国?北東アジアの6地域に、それぞれ地域品質責任者を設置しました。この6地域と日本にある各カンパニー品質責任者とでグローバル品質責任者会議を年1回開催し、地域の品質状況を監視し、製品安全に関わる不具合情報や、各地域の公的安全規格や公的安全認証等に係わる情報を、速やかに事業部門と共有することで、事業部門の体制を補強しています。

委員会?組織

品質責任者会議の活動

全社の品質改善取組みや品質状況は、全社品質担当役員,各カンパニーcqoならびに職能関係者が参加する年2回開催の「cqo会議」で検討?総括しています。会議では中長期視点での当社における品質のあるべき姿の議論などを通して、全社の品質基盤をより強固なものにするための方針や方策を決定しています。また、cqo会議などを受けた具体的な品質施策協議の場として、各カンパニーの品質統括部門の責任者が参加する「品質委員会」を開催し、社内での連携を強化しながら品質改善活動を推進しています。
上記以外に、2015年度から世界各地域の品質責任者も参加する「グローバル品質責任者会議」を年1回開催し、各カンパニーと地域の年度方針や課題を共有し、品質改善活動を促進する場を設けています。

総合製品安全委員会の活動

製品安全を最優先とするモノづくりのために、2012年に各カンパニーの製品安全確保のキーパーソンが参加した全社の総合製品安全委員会を構築し、傘下に「安全技術部会」と「安全規格部会」を設けました。これら部会を通じて、2005年のFF式石油暖房機事故の反省から取り組んできた安全技術の開発と製品安全規格の整備活動をより一層恒常的なものにしています。当委員会は、リチウムイオン電池搭載商品、ネットワーク接続製品の安全性確保や各種品質施策へのAI適応など、パナソニックの品質維持?向上のための検討について、年2回開催して各カンパニー代表者と論議しています。

安全技術部会の活動

安全技術部会では、設計時の想定を超えてお客様が長期にご使用になる場合を考慮して、製品に使用される材料などの耐久性を把握するための加速劣化試験など科学的な評価手法を開発してデータを蓄積し、データベース化しています。2019年度は、2018年度の主要品質問題を踏まえ、マネジメント階層までさかのぼった品質課題の分析と、それに対する再発防止方法の具体的な対策と他事業部への水平展開方法を検討しました。

安全規格部会の活動

公的安全規格順守は当然のこととして、より安全性を高めるため、製品開発において守るべき設計規則を「パナソニック安全規格(PCSS)」(以下、PCSSという)として公的安全規格よりも、より厳しい社内基準を設けて制定しています。
安全規格部会では、安全技術部会の活動から得られた知見をPCSSに反映し、長期使用や難燃化対策、落下防止といった重要安全事項の規格を適宜強化しています。2019年度は、CQO会議、安全技術部会で検討した、マネジメント階層までさかのぼった品質課題と再発防止対策方法を、本部会で共有するとともに検討を実施しました。
また、海外事業場での新技術に関する問合せを円滑に行うための、パナソニック安全規格(Panasonic Corporation Safety Standards)、略称 PCSS(第9版 Ver.01)の制改定するなど、事業分野ごとの製品安全に関する社内規格の制改訂にも取り組んでいます。

国際安全規格の認証取得事例

《生活支援ロボット「リショーネPLUS」がISO13482※1認証を取得》
2017年1月

2014年2月に国際安全規格ISO13482を世界で初めて取得したリショーネ(ベッドと車椅子を合わせた機能を持つロボット介護機器)に続き、リショーネの利便性、安全性、デザイン性をさらに向上させた「リショーネPLUS」も、2017年1月にISO13482に基づく認証を取得しました。

《自動車機能安全規格ISO26262※2認証を取得》
2012年2月

当社は、自動車向け機能安全※3規格ISO26262のプロセス認証を、第三者機関であるドイツTüV SUD(テュフ?ズード)より取得し、車載機器、デバイスのソフトウェア開発プロセスにおいて、本規格の最高安全水準であるASIL-Dまで対応可能と認められました。

※1 国際標準化機構(ISO)から発行されたパーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する国際規格。physical assistant robot、mobile servant robot、person carrier robotの3タイプのロボットを対象としたもの。
※2 2011年11月15日に発行された自動車向け機能安全の国際規格。この規格では安全度水準(ASIL; Automotive Safety Integrity Level)が4段階(ASIL A~ ASIL D)に定められています。
※3 マイコンなどの電気?電子的な装置の働き(機能)により実現されている安全性のこと。例えば、故障の検出や、安全な停止制御、ユーザーへの警告などが機能になります。